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ベルボン商品開発秘話

こんにちは、ベルボンダイレクトの又平です。先日発売した望遠レンズ用の雲台「FHD-66A」。 皆様にとっては新製品なのですが社内では結構な時間をかけて開発されていました。今回はそんな新製品開発の一幕をご紹介します。




製品開発への道

まず新製品を開発する際には色々な要望が設計部へ集められます、ユーザーの皆様からやプロカメラマンからは機能の要望、もちろん営業部やお店からも売れる価格についてなど。それらの意見のバランスを取りつつ設計部が図面を描いて試作、そして動作の検証などを行いながら細かい所を調整していく、というのが大まかな流れです。

「FHD-66A」の開発では望遠レンズ用雲台(ビデオ雲台)に必須の滑らかな動作感は当然として

・売れ筋のレンズ150-600mmに丁度いい望遠レンズ用の雲台
・雲台でカメラの縦横が切り替えられる事(短いレンズで写真撮影で使えるように)

等がありました。それに加えて「寒冷地でも使用できる事」というのが条件に開発が進められています。



ビデオ雲台にとって、使用温度は非常に重要な要素。一般的にカメラやカメラ用品が使用可能としている0度~40度の範囲では温度変化による動作感の変化を感じる事はありませんが、マイナス以下まで温度が下がってくると内部のグリスの粘性が変わったり部品が収縮することで動作感が変わっていきます。 冬の野鳥撮影では温度がマイナスになるような状況で撮影することも多く、出来るだけ低温度下でも安定した動作感を持続出来るようにする。というのが開発に出された条件でした。

この条件をクリアするためには単純に凍らないグリスを使えば良いと言う訳では無く、一定の重さを出すために内部の構造やグリスの入れ方などに工夫をしています。そうして完成した雲台が「FHD-66A」なのです。





マイナス-40度への挑戦

…で、その工夫が有効なのか確かめる為に試験場にやってきました。(※発売の一年以上前の話です)ここにあるでっかい冷凍庫で雲台をガンガンに冷やして動作を確認します。この冷凍庫、最低温度が-40度まで設定できるようなのでそこまで攻めていきますよ!と言っても計測試験は設計部の人が行うので私はオマケみたいなものなのですが。

試験装置はこんな感じ
段階的に温度を下げて動作を確認していきます。


-40度なんて入ったこと無いので楽しみ。実際に低温なのか写真では伝わらないですよね、という事でこんなものを作ってきました。

名付けて「UT-SUPER8 -ikebana-」廃材で作りました。当然非売品です。

バラは花屋の見切り品。「バラがバラバラ」とか言いたかっただけです。ちなみに-40度でも見た目はほとんど変わりませんでした。大丈夫です、私が遊んでても設計部がちゃんとデータを取っていますので。



真面目に仕事する設計部の方々。そして背景にバラ。
ちなみに試験は真夏の季節に行われています。


試験は何も載せない状態・機材荷重をかけた状態での動作力や固定力を計器や実際に動かしてみたりしながら判定します。それなりに厚着してても-30度位から入っているのが辛い温度になります。↑の写真の人は何故か素手で作業してますが…。

バナナも買ってきてセット、釘は無かったので
打てませんでした、残念。
差し入れのアイスも、
豆腐はぶつけられそうなので外に出しました。


私以外が真面目に試験を行った結果ですが、-20度までは特に動作に影響は無く、-30度から徐々に動作が重く渋くなっていきます。-40度でもまぁ動きますが念のためベルボン公式の使用可能温度は-20度という事になりました。ちなみに土台の三脚プロジオV640も-20度での正常作動を確認しています。

手袋したままで操作しやすいロック
これは結構便利です。
発泡ゴムはカチカチ。ギアクランクは
流石に-40度だとかなり重くなります。




余談ですが寒冷地では撮影後の結露対策など後のケアも重要です、中に結露が出来て次の日の撮影中に凍って動かなくなる…なんてことがないようにしっかりと撮影後の拭き取りや乾燥などのアフターフォローにも気をつけて撮影して下さい。

試験終了後の三脚、
結露が凍って真っ白になっています。
すげーって言いながら写真撮っていると
今度はカメラにも結露が…

と、このような努力を経て完成した「FHD-66A」コストパフォーマンスに優れつつも高い完成度を持った雲台になっています。動画や望遠レンズでの撮影をされる方にオススメの製品ですので是非チェックしてみて下さいね!


↓の記事でも、プロの作例とともにこの雲台の機能を紹介して貰っています。この記事よりも参考になるかも…
デジカメウォッチ「ベルボンの新型雲台「FHD-66A」が野鳥撮影で使いやすい!」





あ、忘れてました…

バラが
バラバラ!一回やってみたかったんです…

ではまた!

工場夜景撮影会に行って来ました

こんにちは、ベルボンダイレクトの又平です。先日、工場夜景撮影会にお邪魔してきました。今回は普通の工場夜景では無く船に乗って海側から撮るというちょっと変わった内容。主催は「スタジオグラフィックス」、時々ベルボンの製品も取り上げて頂いているカメラ情報サイトさんです。

撮影会の講師は岩崎拓哉先生。先生は工場夜景や街の夜景の写真を中心に活動されており、昔からベルボンの三脚を使って頂いています。

撮影前のセミナーの様子
事前に船で回るポイントを教えてくれます。
今回は横浜から川崎の工場地帯を撮影します。

三脚は船自体が揺れている事と設置するスペースが少ない為、禁止となっていますが一脚は使用可能、と言う事でしたので私も一脚を持参。一脚は三脚のようにカメラをガッチリ固定するためではなく、手持ち撮影のサポートをしてくれるものと思ってもらった方がイメージしやすいと思います。今回の撮影だと、機材の重さを一脚に支えてもらい、手ブレを抑える、といった具合です。

撮影前のセミナーでも一脚について触れて頂けました。

こちらが岩崎先生、一脚を持ってポーズ。雲台はPHD-66Q、
縦横の切り替えがしやすいという事で使って頂いています。

ここで注目して欲しいのは先生の腰についているベルトポケット。これは一脚の先を地面では無くベルトポケットに入れて腰で支えるアクセサリーです。

ベルトポケットを使うと普通に地面に立てて使うスタイルと比べ、機材をコンパクトにすることが出来ます。地面に脚が付いていないので移動も楽で、撮り歩きなどで活用できちゃうというアイテムです。

船の上で使えば船自体の揺れを膝で吸収出来るので普通に一脚を立てるよりも安定して撮影ができる。…気がします。少なくともこのスタイルだと体とカメラが一緒に動かせるので撮影しやすく、機材の重さも腰のベルトポケット側に分散しますので疲れにくくなります。また、足元が濡れていて一脚が滑ったりと言った心配もなくなるのでオススメですよ。

こちらはサポート講師の薮田先生、見た目怖い雰囲気ですが
作品や撮影解説は繊細で丁寧、ギャップ萌えってやつですね。

薮田先生もベルトポケットを使って
・・・あっ、これジッツォ(他社)だ。

ちなみにベルトポケットはベルボンのカーボン一脚を買うとおまけで付いているもので、単品でも部品として購入可能。また腰固定専用の一脚「ベルトポッド」という製品もあります。私はベルトポッドを今回使って撮影しました。

ベルトポケット使用図
石突が大きなタイプにはベルトポケットWを使用します。
これがベルトポッド、腰で支える専用なのでコンパクト。
展示会など人が多いところで撮り歩く時などに便利です。

※クリックすると商品ページに移動します。

今回の撮影会ではレンズメーカーのタムロンさんが協賛しており、なんと各種レンズを無料で借りることが出来ました。買うとそれなりにするレンズが無料で試せると言うのは嬉しいですね。

大ヒット商品と聞いた18-400mm F3.5-6.3を借りました。
世界初の22.2倍望遠ズーム、さすがの高倍率っぷりですね。

乗船前に試し撮り、APS用のレンズなので本体はニコンのD750でクロップ撮影をしています。

ISO200 1/13秒 f/40 換算600mmで手持ち撮影
2.5段分の手ぶれ補正機能が効いてます。
とはいえ結構頑張って構えて撮りました。
縦横比が違うのは設定ミスです…

ISO800 1/125秒 f/6.3 換算600mmで手持ち撮影
被写体ブレかピントがあまい?
花はさすがに三脚使って撮りたいですね…

他にも色々と撮ってみましたが流石の高倍率ズームレンズ、撮れる写真の幅が広い!こんなに花に寄って撮れるとは思いませんでした。これ一本で良いんじゃないか、とさえ思わせられる逸品でしたよ。


さて、レンズも堪能した所で船に乗っていよいよ工場夜景撮影へ出発します。あ、写真はタムロンさんからお借りしたレンズ以外も使ってます。

ISO6400 1/25秒 f/5.6
ISO12800 1/80秒 f/2.8
ISO6400 1/25秒 f/5.6
ISO12800 1/50秒 f/5.6

感度は高め、露出は低めにしてRAWで撮って現像しています。揺れる船の上から夜景を手持ちで撮る、と一昔前では考えられないようなシチュエーションですが結構撮れるものですね。とは言えなかなか難易度の高い撮影でした。実は私この船上撮影会の参加は二度目、今回はそれなりに撮れた気がします。

この撮影会の主催のスタジオグラフィックスでは定期的に各種撮影会をおこなっています。また、講師の岩崎先生のHPでも撮影会情報が見られますので興味ある方は是非チェックしてみて下さい。


花火と三脚撮影について

こんにちは、ベルボンダイレクトの又平です。夏も終盤になってきましたね、今年の夏は良い写真が撮れたでしょうか。さて、今回はまだまだ撮影のチャンスのある花火撮影についてちょっとだけお話したいと思います。すごく三脚メーカーっぽいテーマですね。ここでは花火撮影で気を付けたい三脚の使い方について紹介していきますよ。



三脚は出来るだけ大きいものを使おう

花火をキレイに撮る為には数秒から数十秒のスローシャッターになるので三脚は必須、とよく言われますが三脚に載せたからと言って絶対に大丈夫とは言えません。条件によってはブレてしまうことがあるんです、下の写真を見て下さい。

盛大にブレてます。よく見ると上下のブレは無いのに左右方向だけのブレが
数十秒続いており、一定の方向に振動している事が判ります。。

花火の光跡がパーマヘアの様にふにゃふにゃになっています、お世辞にもいい写真とは言えません。でもこれ、ちゃんと三脚を使って撮っています。これは載せているカメラの重さに三脚が耐えきれていない為です。日中の撮影では問題無くてもシャッター速度が遅くなればなるほど三脚の強度が必要になります。解決するにはカメラの重量に対し十分な推奨積載質量のある三脚を選ぶ必要があります。

ベルボンの製品では推奨積載内の機材であれば大体大丈夫だとは思います、加えて雲台や三脚本体の材質が金属やカーボン材で出来ているものを選ぶのが良いでしょう。

前後のバランスにも注意が必要!

さらに、推奨積載以内の機材を使っていても気をつけるポイントがあります。それは前後のバランスです。

建物の部分をよく見るとブレてしまっている事がわかります。

この写真は適正な推奨積載質量の三脚を使用していますがブレています。望遠レンズで撮影しているのにカメラ側で三脚に付けていたので前側に重心が寄ってしまい、ミラーショックなどの振動が大きく出てしまった可能性があります。

いや、花火大会の途中でレンズを交換しようと思っていたんですよ。あとで短いレンズに付け替えるからカメラ側で固定していた方がレンズ交換も楽じゃないですか、周りも暗くてあぶないし…はい、言い訳です。失敗する可能性を少しでも下げる為にも最大限安定するように機材を設置すべきでした。

レンズによりますが三脚座があればそちらで三脚に付けたほうが安定します。

この他に、エンドフックやストーンバッグを使う事によって三脚の重心を下げて、より安定させて撮影することも出来ます。

ストーンバッグ

真ん中にオモリを入れて使用します。
エンドフック
センターポールの下端の雄ネジに
取り付けて使用します。

これらのアクセサリーも強風では風でぶら下げたものが揺れてしまい逆効果になったりする場合もありますので、状況を見ながら最適な設置をして下さいね。

基本中の基本、レリーズを使おう

お次は、基本的な部分ではありますが手でシャッターを押さずにレリーズを使うことも重要です。リモコンでも手を触れずに撮影できますが有線のものの方がオススメです。一応ベルボンでもサードパーティ製のレリーズを扱っています。

有線のレリーズだけではなく、無線でリモコンシャッターとしても使用可能な優れもの。
画像をクリックするとシリーズ一覧ページに行きます。

このように花火を撮る際は三脚一つとっても沢山の注意点があります。それに加えてカメラの設定はもちろんマナー面など気をつけるべきことは沢山ありますよね。三脚のことばっかり話されても…とお思いの方、丁度カメラ情報サイト「デジカメWatch」にて花火撮影についての記事が掲載されています。プロの花火写真家による花火撮影のいろはが判りますので是非チェックしてみて下さい!

デジカメWatch特別企画
今年こそ上手に取りたい人の為の「花火撮影講座」

記事を書いている花火写真家の金武武(かねたけたけし)先生の素晴らしい作例も一緒に見れますよ、キャプションには撮影データ以外にも花火大会と花火の名前が添えてあるあたりに深い花火愛を感じます。各所で行っているセミナーでは撮影テクニックの他にも花火についての色々な話を聞けたりとすごく面白いのでオススメですよ。花火それぞれに名前があるなんて知りませんでした、必殺技みたいでカッコイイですよね。

こちらが金武先生、花火大会にご一緒したときの一枚。
随分アグレッシブなポーズをしていますが普段はにこやかな方ですのでご安心を

上の記事には載ってないんですが旧姓の名を取った「福田式」と呼ばれる作品がありまして普通の花火写真とは全く違うファンタジックな作品は一見の価値アリです。毎回花火を撮影していると真似したくなってチャレンジしちゃうんですよね。ちゃんと撮れたことないですが…。金武先生のホームページでご覧頂けますので是非そちらもチェック!セミナー情報もここから確認できます。
金武武先生ホームページ
http://k-takeshi.jp/index.html

なんと、ソニーさんのサイトで福田式の撮り方の解説が載ってます。太っ腹過ぎ、α7RII買います!
ソニー
http://www.sony.jp/otona/2017/201708_vol1/index.html

福田式写真にチャレンジしてみました。
うん、全然違う。やっぱり本物をホームページで見て下さい。

色々と撮り方を工夫出来るのも花火撮影の面白さですね、自分なりに色々撮ってみました。

ピントをずらしながら
複数の花火を同じ画面に入れて撮ってみました。
こっちは雲台を2つ重ねて雲台ごとカメラを
回転させながら撮ってます。

夏も終盤になりましたがまだまだ花火撮影のチャンスは全国各地であると思います。みなさんも素敵な花火を撮影してみて下さい!

エクストリームスポーツをストロボ(と一脚)で撮ろう!

こんにちは、ベルボンダイレクトの又平です。先日東京で開催されたCHIMERA GAMESというイベントに行ってきました。キメラゲームスはスケートボードやインラインスケートなどのエクストリームスポーツを中心としたイベントです。

会場入り口、エクストリームスポーツ以外にもダブルダッチ(縄跳び)やスラックライン(綱渡り)など
実際に体験して楽しめるコーナーが盛りだくさん、子供連れの方も多かったです。

何故このイベントに来たのかと言うと、ここで撮影会が行われていたからです。撮影会の主催はストロボメーカーのニッシンジャパン、撮影会では会場で行われるエクストリームスポーツのトッププレイヤーのパフォーマンスをストロボを使って自由に撮影出来ます。激しい動きのエクストリームスポーツをストロボの光で止めてカッコイイ写真を撮ろう!って事ですね。そしてこの撮影会の講師を務めるのは渡部憲之先生。

こちらが渡部憲之先生、通称ノリさん。エクストリームスポーツの撮影を中心として活動。
ご自身も元プロインラインスケーターなのです。

上の写真ではスタンドのようなものを持っていますが、先生の一脚の使い方がとてもユニークなんです。説明するより見てもらった方が早いと思うので↓のニッシンジャパンの動画を御覧下さい。


動画でも判る通り渡部先生はストロボを一脚に付けカメラからストロボを離した撮影「オフカメラストロボ」を行っています。一脚を使うことでカメラからグッと離した位置からストロボを発光させて、しかも瞬時に位置や向きを調整して撮影できるというわけですね。

こんな格好での撮影になります。
ちなみに写っているのはニッシンジャパンのスタッフさん。

普通はストロボとカメラをシンクロケーブルで繋ぐ必要がありますが、ワイヤレスTTLシステム「NAS」に対応したニッシンジャパンのストロボならこのような自由な撮影スタイルを実現可能、しかも光量の設定もカメラ側からワイヤレスで調整出来ます。これは気になった方は下記のメーカーHPで製品をチェック!


ニッシンジャパンのHPはこちら

他にも色々撮影会をしていますので是非見てみて下さい。

ちなみに動画内で使っているのはベルボンのウルトラスティックシリーズ

ツインストロボは下の一脚とミニ三脚を使っています。組み合わせてポールポッドの様にして使う事もあるようです。



そしてこちらが先生の作品↓

超COOL!カッコイイ。これはマネして写真を撮りたい!カメラもストロボも片手で持つ事になるので結構辛そうですが先生曰く頑張ればいける!との事。

さて、撮影会では最初に先生から撮影についてレクチャー。カメラの設定のほか、スケートボードの技によっての撮影のコツや合わせるピントの位置、シャッターのタイミングなど。専門的なテクニックを惜しげも無く教えて頂きました。こういうプロのお話を聞くとグッと来ます。

講義が終ればいよいよ撮影タイム。の前に…

【注意】
ここで紹介した使用方法を試す際は一脚が周囲の邪魔にならない様十分に注意して下さい。また、脚への荷重の掛かり方も通常と異なる為、機材の重さで脚が曲がったりしないか。撮影中にストロボと一脚が緩んで外れないかなど、しっかりとご自身で確認の上撮影する必要があります。

通常と異なる使い方ではありますので注意して使って下さい。では撮っていきましょう。

これはBMX、自転車です。飛び上がる高さが半端ない!
テンション高めのMCがライブ感を盛り上げます。
こっちはインラインスケート、なんか忍者っぽい。
撮影会参加者はストロボと一脚を借りて撮影が出来ます。

まずはエクストリームスポーツの動きに慣れるためストロボ無しで撮影。坂道の登り切った所で技を出すので撮りやすいかと思いきや動きも早くてなかなか難しい。動きを追いきれる自信が無くて広角のレンズしか持ってきて無かった事を後悔。望遠も持ってくればよかった。日が傾いてきてから本番となるストロボ撮影の写真はニッシンのスタッフさんからお借りしました。

ストロボの光で止めつつブレを残して動きが出てます。
カッコイイです。
ちなみに会場でのストロボ&一脚の使用許可は
ニッシンジャパンのセミナーだけです。

プロ直伝という事でなかなか難易度が高かったですがやりごたえのある撮影でした。一脚の先にストロボやカメラを付けて撮影というのは昔から裏技としてあるのですが、メーカーとしては本来の使い方とは異なるのでなかなか紹介する事が難しいものでした。みなさんも渡部先生の様に自分の撮影スタイルに取り入れて独創的な作品を作って下さい。

三脚の強度を少しでも確保するには?

こんにちはベルボンダイレクトの又平です、今回はお客様から頂いたお問い合わせをご紹介したいと思います。

お問い合わせのお客様は山岳写真を撮っている方で星も撮影予定、出来るだけ撮影機材を軽くしたいとのご相談を頂きました。カメラはEM-1+12-40mm、良いカメラですね。購入する三脚には見当を付けているとのことで「PH-G40D N」とアウトレットで販売中の「GEO E330 脚のみ」で検討しているとの事でした。

※アウトレット品が既に売り切れの場合、商品ページが表示されません。

「Geo E330」はベルボン最小のカーボン三脚(現在は生産終了)で推奨積載質量は2kg、カメラ+レンズで1kg以下なのでカタログスペック的には問題無いのですが星の撮影も予定しているという事でそこが少し気がかり、山中で見通しの良い場所となると強風になる事も考えられるのでそこで秒単位のシャッター速度になると若干不安ではあります。

返答でお伝えしたのは安全を取ってもう一回り大きいモデルにする方法、そしてもう一つは夜景の時は脚を伸ばさない状態で撮影するという方法です。三脚は脚を伸ばして下の段を出すとパイプが細くなっていきますが脚を伸ばさなければ一番太い部分だけで撮影出来るので少しでも三脚の強度を確保したい場合には有効です。代わりに高さが出せなくなるので、奥の手的な方法ではありますが…。

通常の使用でも三脚を立てる際、少しでも強度が出るように
太い段から伸ばすのが三脚セッティングの基本となります。

結局、重量的に当初の予定通り「PH-G40D N」+「GEO E330 脚のみ」をご購入。ご報告で頂いた写真がこちら↓

撮影はGW頃だそうです、雪のかぶり具合も良いですね。

もう一枚、こっちはほぼ同じ場所からの星景写真。
星の流れ具合からして数分のシャッタースピードでしょうか。同じ場所でも随分雰囲気が変わります。

日中の写真も良いですが星や月明かりに照らされる山々は神秘的な美しさがあって素敵です、もちろん撮影者の腕と経験があってのものだと思いますがシャープに撮れてて良かった!

ちなみに場所は蝶ヶ岳からの穂高~槍ヶ岳の山並み。蝶ヶ岳は北アルプスにある2,677mの山で地図を見ても結構道中はきつそうです。これは少しでも荷物は軽くしたいですよね。

大きく重いものほど三脚としては安定しますが、持って運ぶ物なので三脚の大きさ選びは難しいものです。今回の件では私はあんまり役に立っていませんが、三脚選びで質問などあればお気軽にページのトップにある「お問い合わせ」からご相談下さい。

あ、ちなみにこの記事を書いている時点でアウトレットの「Geo E330」は残り三本、気になった方は是非無くなる前に買って下さい!

ベルボン三脚講座mini  その6「真俯瞰撮影を極めよう!」

今回はカメラを真下に向けて撮る写真、俯瞰撮影の撮り方をお話しします。俯瞰撮影とは見下ろしたアングルでの撮影の事で、その中でも真俯瞰撮影と言うとカメラを真下に向けた撮影を指します。趣味で描いた絵画や書をweb上で紹介したり、着なくなった服をネットオークションに出すためにキレイに撮影したい。といった際に役立つ撮影方法です。場合によっては花や料理の撮影なんかでも面白い構図が作れるのではないでしょうか。



真俯瞰撮影に覚えておきたいポイント

三脚できれいに真下を向けて撮影するにはいくつか気を付けたいポイントがあります。まずは普通に三脚を立てて普通に撮ってみましょう。

カタログを試しに俯瞰で撮影。普通に撮るとこんな感じで遠近感がついて台形に写っちゃいます。

まあ、こんな感じに写りますね。こんなカタログを写すならこれでいいかもですが、力作の刺繍やレアな映画パンフレットを撮影するならどうでしょう?こんな歪んでしまっていては折角の魅力も半減しちゃいますよね。なんか机も汚いし。

これを解決するには被写体とカメラを平行に、つまり地面に置いたものなら出来るだけカメラを真下に向ける必要がある訳です。メーカー的にはここで役立つ便利なアクセサリーを紹介したいところですが、できるだけ三脚だけでなんとかします。わりとなんとかなるので。

カメラ位置を高くして撮るだけで結構長方形に近づきます。
被写体への写り込みに気をつけてくださいね、↑みたいになっちゃいますよ…

三脚を高くしてズームで寄るだけで随分真っ直ぐになります。簡単でしょう?ただ、これではまだ完璧な真俯瞰ではありません、上の場合では机の下が空いてるので問題ありませんが下のスペースが空いていない台で撮影するとなると脚が邪魔でカメラを被写体の真上近くに持ってくる事ができません。

前二本を短くして机に乗せれば解決、真の真俯瞰撮影が実現します。

単純ですがこういう事ができると知っておかないと中々思いつかないんじゃないでしょうか。ポイントは脚の付け根のボディ部分は平行、つまりセンターポールが地面に対して垂直になるようにセッティングする事が大切です。じゃないと不安定になりますので。

で、撮影した写真ですが、これ今までで一番ダメなやつです。理由は簡単、被写体にセンターポールがかかっています、センターポールは分割すれば良いのですが、脚も写り込んでいるのでカタログの見開き撮影ができるスペースが確保できるかも怪しいですね。ここからは脚の写り込みとの戦い、自分自身が敵、みたいでちょっと哲学的ですが被写体や撮影場所によって色々なセッティング方法で写り込みを解消します。



色々なセッティングの仕方

この手の撮影でポピュラーな手法、センターポール逆さ付け。
雲台がハンドルタイプの場合ハンドルが邪魔になるので普段の雲台を前後逆にしてカメラを付けると良いです。

センターポールが外せる製品かセンターポールの下端にネジが出ている製品であればこの撮影方法が出来ます。センターポールの写り込みはもちろん脚もカメラから遠目になるので写り込みづらいです。セッティングのスペースが小さいのも◯。

私のイチオシのセッティングはこれ↓開脚機能のある三脚なら可能です。

開脚機能を使ったセッティング、名付けて「壁ドンセッティング」
壁と脚が滑らないか確認するなど、
カメラの安定をしっかり確認して設置して下さいね。

開脚は「ローポジション機構」「三段階開脚」などの記載のある製品でできます。ふざけている訳では無く、環境を有効に活用しつそこそこ広い撮影スペースが確保でき、なおかつセッティングが簡単なので便利、センターポール外して付け直したりするのは面倒ですしね。

(多分)一番広い撮影スペースを確保できる撮影方法、開脚(セミ)+脚全伸ばし。
右の撮影例は焦点距離14mmの広角レンズを使っています。左はケータイで撮りました…

セミ開脚とは三段階開脚の真ん中の開き具合です、センターポール無しで135㎝くらいになる三脚なら大人のアウトドアウェアも余裕で撮影出来るスペースが確保出来ます。カメラは固定されているので服を何着も撮影する場合に便利です。2畳分位のスペース使いますが…

どうでしょう、三脚だけで真俯瞰の撮影も意外と頑張れるということが伝わりましたでしょうか。三脚を使うと画作りが制限されるから嫌、なんて意見を目にすることがあります。三脚はカメラを固定する物なのである意味正解です。でも、いろいろな立て方を覚えておけば三脚を使っていても自分のイメージ通りのアングルで、しかもカメラを安定させて撮影することができるはずです。

とまぁ、良いこと言った感じになりましたが三脚アクセサリーを使えばとても楽に真俯瞰撮影が出来ます。私の大好きなV4ユニットとか…

左がV4ユニット
右はスーパーマグプレートII と自由雲台で似た形にした物

あと場所によってはクランプキットII なんかも使えそうですね。

では最後は実践編、カレー作りますね。

ここで壁ドンセッティング+V4ユニット。料理の邪魔をせず、なおかつ
完璧な真俯瞰で鍋の中を撮影出来ます。

早速披露したセッティングを活用、と思ったのですが、カレーの湯気がカメラにバシバシ当たって匂いが付きそうだったのでサイドからV4ユニットで伸ばして撮りました。仕方ないね。 さて、このあと読んでくれる人がいるのか気になりますが続けます。

一応、料理と材料はこちら

イスラームチキンカレー
・マスタードオイル 大さじ3
・ニンニク 1欠
・ショウガ ニンニクと同量
・タマネギ 中1個
・青唐辛子 3本
・鶏むね肉 1枚
・塩 小さじ2
・プレーンヨーグルト 150g
・水 100cc
・カシューナッツ 5粒

スパイスA(すべてホールで)
・カシア 指幅分3㎝位
・クローブ 2個
・グリーンカルダモン 4個
・ブラックカルダモン 1個
・ベイリーフ 1枚
・ブラックペッパー 10粒

スパイスB(パウダー)
・ターメリック 小さじ1/4
・赤唐辛子 小さじ1/2
・コリアンダー 小さじ2

スパイスC(パウダー)
・カルダモン 小さじ1/2
・プラックペッパー 小さじ1/2
チェティナードチキンカレー
・マスタードオイル 大さじ4
・ニンニク 3欠
・ショウガ ニンニクと同量
・タマネギ 中1個
・トマト 中2個
・鶏むね肉 1枚
・塩 小さじ1と1/2

スパイス(すべてホールで)
・カシア 指幅分5㎝位
・ターメリック 小さじ1
・ブラックペッパー 大さじ1
・クミン 小さじ1
・フェンネル 小さじ1
・赤唐辛子 2本
まず最初に全部材料を用意、写真に肉が写ってないのは
この時点で忘れてたからです…ちなみに右の鍋でチェティナードチキン、
左でイスラームチキンカレーを作ります。

油を温めてホールスパイスを弱火で熱します、カルダモンや
クローブ辺りは良い感じになってくるとプクッと膨らんできます。
ちなみにカシアはシナモン、ベイリーフはローリエの事とよく言われていますが
インド料理で用いるのはちょっと種類が違うものようです。 右にレンズキャップが入ってますね…

それぞれにタマネギを入れます、炒めるというより半揚げに
する感じでちょい強火で黄金色にしましょう。青唐辛子も投入。
今度はレンズキャップが左に…結構油がはねるのでシャッター切る時以外は
キャップを付けてます。

よくカレーでタマネギは飴色で、なんて言いますが
そうでもないレシピもあるようです。飴色にするよりこっちの方が少し早い
ですしね。個人的には縁が焦げてくる寸前くらいがベストだと思ってます。
画像はまだまだですね。ちなみに最初に入れたスパイスは真っ黒になります、
気になるなら取り出して下さい。私は最後までそのままです。

ニンニクとショウガをすりおろしたペーストを入れます。
私はミルサー的なものでやってます。ちょっと弱火にしてしっかり炒めないと
ニンニクの嫌な匂いが残っちゃいます。焦げやすいので気をつけて下さい。

それぞれヨーグルトorトマトを入れます。トマトはさいの目に
カット。トマト湯剥きしておいた方が良いです、が面倒なのでそのまま投入しました。

なんとなく鍋の位置を入れ替えました。ヨーグルト入れた方は
水を入れてグツグツ言い始めたら、トマトは煮崩れて来たらお肉を入れます。
こってりし過ぎるので皮は取った方が良いです、が勿体無いので入れました。
油分が多いからって最初のマスタードオイルを減らすのはやめたほうが良いです。

肉に火が通ったら塩とパウダースパイスをそれぞれ入れます。
塩は味見しながらちょっとずついれて調整して下さい。
かき混ぜて馴染んだらチェティナードチキンは完成です。

この段階でイスラームチキンカレーはかなりシャバシャバの状態だと思います。
とろみを足すのにおすすめなのがカシューナッツ。おつまみ用の炒ってるものでも大丈夫。
水と一緒にミキサーにした物を入れるととろみが付きます。
小麦粉の様に粉っぽくならずカシューナッツの濃厚なコクがプラスされて美味しいです。
市販のルーで作っているときにも使えるので是非お試し下さい。

いろいろな手法を把握し、その上でその場で適切な手段を使うことが大事、とかそんな感じです。カレーも出来たし今回はこの辺で!

最近カレーがマイブームなので作りたかっただけです。おいしかったです。

ベルボン三脚講座mini 「料理写真を撮ったよ!」



そうだ料理ブログをやろう
こんにちわ、ベルボンダイレクトの又平です。私事ですが最近、料理に凝ってまして よくレシピサイトとか見てるんです。どんなレシピでも写真付きで出てくるし便利な時代になりましたね。 で、色々作っている内に思ってきたんです、「自分も料理ブログとかやってみたい」って。

料理ブログやSNSに投稿するにあたって写真はとても大事、ネットでよく見かけるものは完成品と工程の写真が添えられたレシピが殆どですよね。 工程写真(プロセスカット)はお菓子だとメレンゲの泡立て具合とかデコレーションの仕方など、 写真があるとイメージもつかみ易いし写真による情報はかなり重要な気がします。レシピを見ながら作る時も 大事な所がしっかり写真でおさえてある物を参考にする事が多いです。でも、自分で撮影するとなると作業を止めていちいち写真を撮るのはかなり面倒に感じるかも、 作業中に手汚れてたらカメラに触りたくないし…。

撮影に挑戦!
色々な製品を使い料理と撮影がスムーズにできるようしたいと思います。 まずは工程写真、今回は「クランプキット」と「V4ユニット」を使って台所の端にカメラを設置。作業のきりが良いところでカメラの前に持ってきてシャッターをポチポチ撮りながら料理していきます。 スローシャッターだけではなく、こういった定点撮影でもカメラを固定する事でグッと作業性がよくなります。
実際の撮影の様子は↓の様な感じです。


部屋が汚い諸般の事情から背景を加工しています。

細かいカメラ位置を調整しないなら「V4-ユニット」は無くて良いでしょう。三脚でもカメラを固定できますが 机の上の物に寄って撮影するのは難儀すると思います。さらに家はワンルームなのでキッチン前に三脚を広げて設置することができませんでした。

で、料理ができたら完成品の撮影です。料理写真やいわゆる物撮りでは色々と撮り方がありますが今回は簡単にクリップオンストロボとUC-6で撮影しました。

    製品名をクリックすると販売ページへ
    機能詳細を押すと製品詳細へ。
  • UC-6
    ■機能詳細

UC-6は三脚に取り付ける事ができる傘で、雨具として使用する事が多いですがこの様にストロボを付けてライティング機材としても使えます。 スタジオ機材のアンブレラと同じで光を大きく広げるので少し遠目に設置すれば一灯でも広い範囲に光を回して撮ることができます。 色々と凝ったライティングにするのも良いんですが撮影に時間をかけて料理が冷めたりするのも嫌なので撮影セッティングはシンプルに行きます。

そして投稿へ…
上の紹介の通り料理を作りながら撮影をしていって、何とか一通り終えました。で、いよいよ公開となる訳ですが個人でブログも やってないしここもブログですよね…なのでここで公開しましょう。




どこかで見たことがあるレイアウトかも知れませんが気のせいでしょう。

このページまで見に来てくれる人で料理を撮影するって方は少ないんじゃないでしょうか。 風景写真と違って被写体を含め画面を構成するあらゆる物を100%自分のセンス次第で撮れるのが料理写真の面白さではないかと思います。 お手本の写真も検索するだけで沢山でてきますし、奥さんの自慢の料理をキレイに撮ってあげると見直されるかも知れませんよ♪ 説明した機材は料理に限らず物撮り全般で活用できますので是非挑戦してみてください。



ちょっと黒のリボンが目立ち過ぎでしょうか。ピンクでフリフリのとか買うの恥ずかしかったんですよ…。

ベルボン三脚講座mini  その5「これであなたもベルボンマスター?商品名の秘密」

こんにちわ、ベルボンダイレクトの又平です。 今回は三脚自体からはちょっと離れてしまいますがベルボン製品の名称について説明しましょう。 「へぇ」と言えるかすら微妙なムダ知識、読んだら明日からベルボンマスターですよ!








まずベルボンの商品名をあげてみましょう!
・Geo Carmagne N635M
・UT-63Q
・ULTRA STICK M40
・Sherpa 535II
・ULTRA555
などなど…どんなものか想像出来ますでしょうか。
正直、商品名だけ聞いてもどんな製品か判らないかと思います。


そこで、下の説明を見てみて下さい!


一部例外はありますがベルボンの製品の命名規則はこんな感じになっています。 更に細かく説明すると

Geo Carmagne N
 →カーボン三脚 ナット式
ULTRA
 →アルミ三脚 ウルトラロック
ULTREK(UT)
 →アルミ三脚 ウルトラロック 360度開脚機構 
RUP
 →アルミ一脚レバー式

とこんな感じにシリーズ名は脚材・ロック形式などおおまかに指しています。
脚径については最大8から

8→36mm
7→32mm
6→30~28mm
5→27~25mm
4→24~22mm
3→21以下mm

段数はそのままの数字が 雲台には

8・7→ビデオ雲台
5→ハンドル式雲台
3→自由雲台
0→脚のみの製品

こんな感じで雲台形式によって数字が割り当てられています。
末尾はその他の仕様が表されていて、例に出したSherpa535IIでは 二モデル目の製品に当たるので「II」が付いています。 他にも脚が短いモデルでは「S」が付いたり、雲台にクイックシュー機構が付いていると「Q」を付けたりしています。
命名規則とはいいましたが大体の分類なので例外、というか当てはまらないものも多いです。例えばビデオ用三脚の「C-500」とか カーボン三脚の「CarmagneE5400」、脚のみの製品は「GeoCarmagneE540M」などになっても良いものですが 「Geo Carmagne E545M 脚のみ」等…製品の取り違いが無い様に変えていたりというのが理由だったりしますが 完全に当てはまらない感じがむず痒い、世の中ままならないものです。ちなみに 雲台や一脚の名称はまた微妙に違ったルールで命名しています。

そんな名称ですが社内では「ULTRA453みたいなのはどうだろう」とか 「Geo875ならどのくらいの高さになるんだろう」なんていう話をすることがあります。上の法則を踏まえて大体の仕様が想像出来るかと思います、 そんな話の中で新たな商品が生まれる事だってあります、というか作ってみました。

全高3mくらい!
Geo Carmagne N875!!

※発売の予定はありません。


ルールは違いますが他三脚メーカーさんの型番も同じ様に法則性があって付けられていますので色々眺めてみると面白いです。 無駄知識ということでお話ししてきましたが知っていると三脚を探す時や人に三脚を勧める時など意外と役に立つことがあるかも知れません。

ベルボン三脚講座mini  その4「脚ロック、レバー?ナット?そしてウルトラ」

こんにちわ、ベルボンダイレクトの又平です。 ずっと雲台の話ばかりでしたが今回は脚部分についてです。さて、脚の種類と言うと材質、太さ、段数等の違いがありますが 操作性に大きく関わる「脚のロック方式」についてお話しします。


※記事内で製品を分解しておりますが構造の説明のためで、 ユーザー様の方で分解・改造を推奨するものではありません。分解や改造を行った場合、 メーカー保証や修理などのサポートを受けられなくなります。万が一実施する場合、お客様の 自己責任となります事をご了承下さい。

上がナット式、下がレバー式

ナット式(ナットロック)


ナット式はネジのように脚の節目の部品を回すことによって脚を固定します。 締めた分だけ固定できたりどの方向から操作しても 同じ動きで操作出来るという利点があります。

中身はこんな感じ


真ん中の切れ目のある3つの輪っかがポイント、これをナットで下から押してゆくと両端の輪が 縮まって行き脚が止まるという構造です。 シンプルで部品も少ない事もあり、故障などのトラブルに強い傾向があります。 また、メーカー非推奨ではありますが自分で分解をして掃除するといった事もできることから 長期間の撮影や雨天時でも撮影をしなければならない状況になるプロのカメラマンの方に多く 選ばれている傾向があります。

レバー式(レバーロック)


レバー式はネジでは無くレバーで締め込み、脚を固定する構造になっています。 利点はワンタッチで脚の固定が出来る事、そしてロックしているかしていないかが一目で判るので脚の 締め忘れが無く使用出来ます。

レバーを締めるとパイプを
締め付けます。
中身はこんな感じ。



ナット式と異なりレバーの設定で締まり具合が決まる為、部品の摩耗などで少しづつですが締まり具合が 変わってゆきます。 ベルボンのカーボン三脚ではレバーの締り加減を付属の六角ナットで調整する事が出来ます。 ちょっと回すだけでかなり具合が変わりますので 少しずつ回して動きを確認しつつ調整して下さい。


と、まぁ脚のロックの説明をしてきましたがロック構造部分、それなりの大きさがないと脚を しっかりと固定出来ません。脚をきちんと固定できないと三脚として使えないので仕方ないのですが 4段の脚で15cm位の長さがこの部分になります。

ベルボン独自のウルトラロック

じゃあ、脚パイプ自体でパイプを止めてしまえばロック構造部分を省略出来ますよね! という訳、かどうかは分かりませんができたのがウルトラロックです。



上の図の様になった脚で、パイプを回すことによってパイプ同士が噛み合って止まります。先にお話ししたように ロック機構がパイプの中にあるのでその分短くでき、伸縮時の比率が飛躍的に良くなっています。 独特な構造で操作に慣れが必要ですが慣れてしまえば一動作で脚を畳んだ状態から全開にできるので 撮影時のセッティングも素早くできます。このパイプの形状にはかなりの工夫があるようで 設計部の人がインボリュートだかレボリューションとか説明してくれてましたが 革命的であることは間違いないでしょう。実際に操作している様子は下の動画を御覧下さい。


今回は色々な脚ロックの説明をしてきましたが言ってしまえばどれも脚を固定することが目的で、 操作に差があるだけです。「これじゃないとダメ!」という訳ではないので触ってみて自分にあった物を選んで使って下さい。

ベルボン三脚講座mini  その3「雲台いろいろ」

 こんにちわ、ベルボンダイレクトの又平です。
今回も雲台の話をしたいと思います。ザックリとですが…
カメラの角度を調整する為の物が雲台、なのですが
前回、お話ししましたがそれなりの三脚は雲台部分の取り外しが可能です。
雲台の大きさによって推奨する機材の重さが変わってきますが
種類によっても操作性がかなり変わってきます。今回は代表的な
雲台の種類を紹介したいと思います。

1.ハンドル付雲台

PHD-55Q
3way雲台「PHD-55Q」
PH-157
2way雲台「PH-157Q」

様々な種類のある雲台ですが国内ではかなり一般的なモデルです。
固定ネジを兼ねたハンドルで角度の調整・固定を行います。
左右と上下に加えカメラの縦横の三方向をそれぞれ独立した
ハンドルやストッパーで固定する物を「3WAY式」
左右上下を一つのハンドルで固定する「2WAY式」
と、更に細かく分類出来ます。
一般的には一方向づつ構図を調整出来る為、風景写真等ゆっくりと
構図を作る撮影に向いていると言われています。

2.自由雲台

QHD-43
自由雲台「QHD-43」


QHD-U4Q
自由雲台「QHD-U4Q」
水平方向のみ可動するストッパーが
追加されているモデルです。

ボールヘッドとも呼ばれ、その名の通り球状の部品を固定する
方式の雲台です。ハンドル付き雲台とは異なり一箇所のロック解除で
全方向へカメラを動かすことができ、カメラを持って構図を動かすので
手持ちの撮影に近い感覚で操作する事が出来ます。素早く動く被写体を
狙う場合や狭い画角のなか構図を調整するマクロ撮影に向いています。
また、ハンドルなどの部品が無い為コンパクトで山岳写真など
荷物を軽く小さくしたい撮影で選ぶ方も多いです。

3.ビデオ雲台

FHD-51QN
ビデオ雲台「FHD-51QN」

パッと見はハンドル付き雲台と大差ないですが、
静止画(写真)を撮る為の雲台と比べ、カメラを動かしている際の
動きが滑らかになっています。動画撮影用の為、基本的に
カメラを縦にする機構が付いていませんが
カメラネジの規格は同じなのでカメラを取り付ける事が可能です。
滑らかな動作が活かせる超望遠レンズなどの撮影では
このビデオ雲台で写真を撮影する事もよくあります。

以上の3種類が代表的な雲台の種類です、
雰囲気はわかって頂けたでしょうか。
更に細かな特色についてはその内 紹介したいと思います。

ちなみに紹介した上の3つ以外にも
ギア雲台、ジンバル雲台、グリップ雲台などの雲台があります。
残念ながらベルボンでは扱いがありませんが…

雲台の交換は手間的にも予算的にも気軽に試せますので
既に三脚をお持ちの方も普段使わない雲台を試してみると
新しい撮影スタイルが見つかるかもしれません。

次回は脚部分についてを紹介したいと思います。では!

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